利他は“いいこと”ではない

コミュニケーションマインド

― 行動ではなく「判断の軸」として考えてみる

目次

  1. なぜ今、利他を整理するのか
  2. 利他とは何か
  3. 利他は「行動」ではなく「判断の軸」
  4. ウィンウィンと三方良し
     4-1. ウィンウィンという考え方
     4-2. 三方良しという視点
  5. 利他を体現した人物が語り継がれる理由
  6. だから、すぐ真似しなくていい
  7. あなたは、どの軸で判断していますか
  8. 次回へ

1. なぜ今、利他を整理するのか

ここまで、
ギバー・テイカー・マッチャーという
行動タイプを整理してきました。

読んでくれた方の中には、

「で、私はどうすればいいのか」
「結局、どれが正しいのか」

と感じた方もいるかもしれません。

けれど、
その答えを急ぐ前に、
もう一段だけ上から物事を見る必要があります。

今回は「利他」という言葉を、
行動ではなく“考え方”として整理します。


2. 利他とは何か

利他という言葉は、

「他人のために動くこと」

と説明されることが多いです。

ですが、この理解のままだと、
少し重たくなります。

「利他的にしなければいけない」
「自分はできていないのではないか」

そんな自己否定に繋がりやすいからです。

今回扱う利他は、
“いいことをする”という話ではありません。


3. 利他は「行動」ではなく「判断の軸」

利他とは、

・自分の立場だけで決めないこと
・目先の損得だけで判断しないこと
・自分と相手を完全に切り離さないこと

そうした判断の基準のことです。

同じ行動でも、
動機が違えば意味は変わります。

  • 嫌われたくなくてやった
  • 断れずにやった
  • 期待してやった
  • 自分で選んでやった

外から見れば同じでも、
内側の軸はまったく違います。

利他とは、
「何をしたか」よりも
「どの基準で決めたか」の話です。


4. ウィンウィンと三方良し

ここで少し具体的に考えてみます。

4-1. ウィンウィンという考え方

「ウィンウィン(win-win)」という言葉を、
聞いたことがある方は多いと思います。

あなたも得をする。
私も得をする。

これは健全で、とても大切な考え方です。

ただ、私の感覚では、
ウィンウィンはどちらかというと
短期的な関係の整理に向いています。

当事者2人の間で、
その場を整える考え方だからです。


4-2. 三方良しという視点

私が感銘を受けた言葉に
「三方良し」という考えがあります。

・売り手良し
・買い手良し
・世間良し

当事者だけでなく、
周りや社会の視点を一つ加える。

ウィンウィンに、
もう一つ“視点”を足すのです。

この視点が入ると、

  • 誰かに無理が寄っていないか
  • 将来に火種を残していないか
  • 短期の利益が長期の損失にならないか

そうした問いが自然と生まれます。

それは必ずしも
目先の利益を最大化する考えではありません。

けれど、
長期的な信頼や継続を生みやすい。

私は、この視点の広がりこそが
利他を理解する入口だと感じています。


5. 利他を体現した人物が語り継がれる理由

歴史上、
利他の軸で判断したと語られる人物はいます。

たとえば
稲盛和夫 の言葉として知られる

「動機善なりや、私心なかりしか」

これは行動の前に、
判断の基準を問い直す姿勢です。

また
キアヌ・リーブス のように、
得たものを社会へ還元する姿勢が語られる人物もいます。

ここで大事なのは、
美談にすることではありません。

彼らに共通しているのは、

判断の軸が自分の利益だけに向いていなかったこと

だからこそ、
その考え方が記憶に残るのだと思います。


6. だから、すぐ真似しなくていい

ここで強く伝えておきたいことがあります。

利他は、
すぐに実践すべき行動ではありません。

余裕がない状態で
無理に他人を優先すれば、

それは利他ではなく
自己消耗になります。

今回の目的は、
利他を“目標”にすることではありません。

利他という判断の軸が存在することを知ること

それだけで十分です。


7. あなたは、どの軸で判断していますか

最近のあなたの判断は、

  • ウィンウィンの軸でしたか
  • 三方良しの軸でしたか
  • それとも、別の軸でしたか

どれが正解という話ではありません。

ただ、

自分がどの基準で決めているのかを知ること。

それが、
利他という概念を扱う第一歩なのだと思います。


8. 次回へ

次回は、
私自身の実体験をこの軸で見直します。

与えたつもりだった。
急いだつもりだった。
誠実だったつもりだった。

それは本当に利他だったのか。

線引きとは何か。

そこを具体的に整理していきます。

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