【目次】
- はじめに
- SMARTを“営業用”に翻訳するとこうなる
2-1. S:Specific(具体化)
2-2. M:Measurable(測定可能)
2-3. A:Achievable(達成可能)
2-4. R:Relevant(関連性)
2-5. T:Time-bound(期限) - SMARTは「作る順番」が大事
- SMARTが崩れた瞬間の“営業あるある”
- まとめ
1. はじめに
前回は「年収ベースで目標をつくると行動が決まりやすい」という話をしました。
ただ、実際に現場で動いていると、
「やるべきことが分かってるのに、行動に落ちない…」
「続かない…」
こんな壁にぶつかることが多いと思います。
私自身もそうで、
気持ちはあるのに動きが続かない時期がありました。
というよりも、「行動しているのに不安に襲われる」という感覚の方が近いです💦
先輩や上司に相談すると決まって返ってきた言葉は、
「気合いと根性で“数”を当たれ!」
いやいや、体は一つ、気持ちも擦り切れているんです…
という瞬間もしばしばありました💦
そんな折、あるトップセールスの方の話を知り(※直接お会いしたわけではなく、別媒体の内容です)、大きな気づきを得ました。
その方を I さんとします。
I さんいわく:
まずは年間の目標から月間の売上に棚卸し、そこからさらに日割りにしていく。
数字が現実的でないなら“数で勝負する戦略自体がズレている”。
I さんは、
「仮にあなたがアポインターだったとして、
月50件のアポを取るために何件回る必要がある?」
という問いを投げかけていました。
100件に1件取れるとして、必要件数は5,000件。
稼働日22日なら、1日227件まわる計算になります。
…現実的じゃないですよね。
訪販で1日227件は、密集エリアでも相当難しい。
この視点を知ったとき、私は強く思いました。
“行動に変換するための型(フレーム)”が必要だ。
そこで出会ったのが「SMARTの法則」でした。
今回は、このSMARTを “営業用に翻訳した形” でお伝えします。
2. SMARTを“営業用”に翻訳するとこうなる
SMARTとは、
ジョージ・T・ドラン氏が1981年に提唱した目標設定のフレームワークです。
40年以上、多くの現場で有効性が証明されてきた考え方です。
ただ、辞書的に説明すると抽象になってしまうので、
ここでは 営業現場に落とし込んだ形 で説明します。
2-1. S:Specific(具体的であること)
→ 行動が1つに絞れているか?
「ヒアリングを頑張る」
よりも、
「初回訪問は“困りごと深掘り”だけ意識する」
のように、“今日やることが一つ”に定まっている状態です。
2-2. M:Measurable(数字で測れるか)
→ 行動したかどうかが客観的に判断できるか?
時間・件数・比率など、
“できた/できてない”が曖昧にならない指標。
※私はここを 「定量指数」 と呼んでいます。
営業行動を再現するうえで非常に重要な概念です。
2-3. A:Achievable(現実的か)
→ 今の自分で“実際にできる量”か?
理想ではなく、“今日の自分”が動けるライン。
I さんも
「現実に動ける数字じゃなきゃ意味がない」
と言っていました。
2-4. R:Relevant(目標・夢と繋がっているか)
→ 年収・夢・行動が一本線で繋がっているか?
ズレた努力になると続かず、
“燃料(マインド)が枯渇” します。
ここで前回の「マインド設定」が生きてきます。
夢と繋がっていないと自分事にならないため、行動が安定しません。
2-5. T:Time-bound(期限はあるか)
→ いつまでにやるか決まっているか?
期限がない行動は「明日でいいや」と後回しになり、動きが止まりやすい。
3. SMARTは「作る順番」が大事
SMARTを知っていても成果が出ない理由は、
作る順番が逆になっている ケースが多いからです。
営業版の正しい順番はこちら:
- R(関連性:夢・年収との接続)
- S(具体化)
- M(測定可能化)
- A(現実的な量に調整)
- T(期限でロック)
この順番だと、
やることが一本にまとまり、行動の迷いが減ります。
逆に順番が崩れると、
「頑張っているのに成果につながらない…」
が起きます。
4. SMARTが崩れた瞬間の“営業あるある”
SMARTが欠けていると、
現場ではこんな“あるある”が起きます。
- ノルマに向けて売上出します!
→ 具体性ゼロ(Sが壊れている) - アポを〇件出します!
→ 数字はあるが、過程がない(Mが欠落) - 今月ノルマの3倍契約します!
→ 現実性がない(Aが崩壊) - 売上を出して会社に貢献します!
→ 自分の目標との接続がない(Rが欠落) - 「見積いつできます?」→“できたら連絡します”
→ 期限がないから信用を失う(Tが欠落)
また、よくある“宣誓スタイル”でいえば、
「私は今月ノルマを達成します!」
この宣誓を聞いたとき、私は思います。
「どうやって?」
SMARTで言うなら、こうです:
「先月の言質から200万は10日までに契約し、
残り250万は今週の商談2件から150万を狙います。
不足分150万は、今月の見込み8件から2件獲得を狙います。
進捗は15日に再報告します。」
ここまで言われたら、
「あ、計画的だね。安心した。」
となりますよね。
これが SMARTが機能した状態 です。
5. まとめ
- マインド(燃料)
- 年収ベースの目標(方向)
- SMART(行動に落とす型)
この3つが揃うと、
営業の行動はブレにくくなり、再現性が高まります。
SMARTは難しいものではなく、
“行動がブレないためのチェックリスト” です。
次回は、
習慣化というテーマを一緒に考えていきましょう(^^♪


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