目次
- クレーム対応が難しい、という相談について
- 顧客に怯えて対応するのか
- 全力で対応しても、トラブルは起きる
- トラブルが起きたとき、最初にすること
- 謝罪の仕方で結果が分かれる理由
- 感情と事実と責任を切り分ける
- なぜ「全力対応」がここで効いてくるのか
- まとめ|クレームをクレームにしないために
- 次回予告|火元を鎮圧するもう一つの構造
1. クレーム対応が難しい、という相談について
「クレーム対応が本当に難しいです」
この相談は、業界を問わずよく受けます。
それもそのはずで、クレームやトラブルは、どの仕事にも必ず起きるからです。
避けて通れるなら、それに越したことはありません。
では、完全に避ける方法があるかというと、答えは一つしかありません。
顧客と一切接点を持たないこと。
ただ、これは現実的ではありません。
顧客がいるから会社は利益を出し、その結果として私たちの給料があります。
つまり、
クレームやトラブルは、
仕事をしている以上、前提として受け入れなければならないものだと感じています。
2. 顧客に怯えて対応するのか
では、クレームが怖いからといって、
顧客に怯えながら対応するのが正解かというと、私はそうは思いません。
理由はシンプルです。
怯えた対応は、相手から見ると
・誠実でない
・真剣に向き合っていない
そう受け取られやすい。
結果として、
どこか不真面目な印象を与えてしまいます。
だから私は、
目の前の顧客には全力で向き合う
これを基本姿勢にしています。
3. 全力で対応しても、トラブルは起きる
ただし、ここで一つ現実があります。
全力で対応していても、
トラブルは起きます。
例えば、
・納期が間に合わない
・工期が延びる
・最初の予定より金額が増える(追加契約)
これらは、
「手を抜いたから起きた」
というよりも、
全力以外の要因が重なって起きるケースがほとんどです。
どれだけ誠実でも、
トラブルをゼロにすることはできません。
4. トラブルが起きたとき、最初にすること
では、トラブルやクレームが起きたとき、
最初に何をするべきか。
答えは一つです。
まず、謝る。
何が起きたのか。
その結果、どうなるのか。
そして、すみませんでした。
ここまでは、多くの人がやっています。
ただし、
この「謝り方」によって、
その後の展開が大きく変わると感じています。
5. 謝罪の仕方で結果が分かれる理由
例えば、こんな謝り方です。
「〇〇が起きて、納期が延びます。すみませんでした。」
一見、正しい対応に見えます。
ただ、この謝り方には落とし穴があります。
この言い方は、
事実も、感情も、そして責任までも
すべてを一括で引き受けてしまう構図になります。
すると、相手の中では無意識に、
「それなら、あなたの責任ですよね?」
「もっと何とかしてほしい」
という認識が生まれやすくなります。
6. 感情と事実と責任を切り分ける
私が意識している謝り方は、少し違います。
何が起きたのか。
その結果、どうなるのか。
これは事実として、淡々と伝えます。
そのうえで、
「このことで、嫌な気持ちにさせてしまったことは、すみません。」
と、
相手の「気持ち」に対してだけ謝ります。
この違いはとても大きいと感じています。
前者は、
事実・感情・責任をすべて背負います。
後者は、
事実は事実、
責任は責任、
感情は感情として、一度切り分けます。
結果として、
相手の感情の火は一時的に弱まります。
ここで重要なのは、
責任逃れをしているわけではない、という点です。
責任を取らないのではなく、
責任を正しい位置に置き直している
そんな感覚に近いと思っています。
7. なぜ「全力対応」がここで効いてくるのか
この一時消火ができると、
初めて「次にどうするか」という
建設的な話ができるようになります。
さらに、
日頃から全力で顧客に向き合っていると、
イレギュラーが起きたとき、相手はこう感じやすくなります。
「一生懸命やった上で、起きたことなんだな」
この認識があると、
こちらの話に耳を傾ける余地が生まれます。
8. まとめ|クレームをクレームにしないために
今回お伝えしたかったのは、
テクニックではありません。
・感情を切り離す
・すべてを謝らない
この2つの構造を理解することです。
これを知らずに、
感覚的なハウトゥーだけを真似ると、
結果は安定しません。
現場では、
Aさんの対応は、なぜか毎回炎上する
Bさんの案件は、なぜかトラブルが少ない
(実際は、火の粉は同じくらい飛んでいる)
こうした差が生まれます。
それは、
最初の一手の構造が違うからだと感じています。
9. 次回予告|火元を鎮圧するもう一つの構造
ここまでで、
クレームやトラブル対応が
すべて完結するわけではありません。
もう一つ、
火元を完全に鎮圧するための重要な構造があります。
次回は、
**「クレームをクレームにしない考え方②」**として、
その部分を整理してお伝えします。


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