目次
- 前回の振り返り
- 最後の締めで一番大事なポイント
- とことん受け止めた、その後
- この一言から次のステージへ
- 実践するうえでの注意点
- まとめ|①と②を同時に行うということ
1. 前回の振り返り
前回は、
クレームやトラブルが起きたときに、
- 感情
- 事実
- 責任
この3つを切り分けることで、
炎上を防ぐ「一時消火」ができる、という話をしました。
ここまでできると、
大きな衝突や感情の爆発は、
かなり抑えられると感じています。
ただ、それでもまだ終わりではありません。
今回は、
その先にある
「火元を鎮圧する段階」についてです。
2. 最後の締めで一番大事なポイント
結論から書きます。
最後のポイントは、
とことん相手(顧客)の話を聞くことです。
私はよく、
肉料理をするときの「灰汁取り」に例えています。
途中でやめず、
最後まで丁寧にすくい取る。
これと同じだと感じています。
相手の話を聞いていると、
想像以上のものが出てくることがあります。
- 罵声
- 怒声
- 癇癪
- 「だから言ったじゃないか」
正直、
心が揺さぶられる言葉も多いです。
私自身も、
罵声の電話を受け、
そのまま現場に駆け付けた経験があります。
怒声が飛び交い、
周囲の方がハラハラして、
奥様が必死にご主人様をなだめている空気。
今でも思い出します。
土下座を強要されてもおかしくない雰囲気でした。
状況は混とんとしていましたが、冷静であったことは思い出します。
3. とことん受け止めた、その後
相手の話を、
途中で遮らず、
言葉を挟まず、
とことん受け止め切ったあと。
私が必ず使う言葉があります。
「思いの丈をすべて伝えてくださり、ありがとうございます。」
そして、続けてこう言います。
「そんな思いをさせてしまったことを、改めてお詫びします。すみません。」
この一言を入れると、
その後の空気が変わることが多いと感じています。
多くの場合、
相手から返ってくる言葉はこうです。
「私も言い過ぎた。ごめん。」
皆さんも、
顧客の立場であったら、
そのような反応になりそうだと思いませんか?
4. この一言から次のステージへ
ここまで来て、
ようやく次の段階に進めます。
「では、改善策を一緒に考えましょう。」
この一言で、
構図は「対立」から
「協力」に変わります。
私は、さらにこう続けます。
「ここから解決策を探し、会社に持ち帰って精査します。
ですので、今日は一旦、価格の話は置いて、
改善策だけを一緒に出しましょう。」
そして、
「価格については不安もあると思います。
会社としても協力してもらえるよう交渉します。
お互いが納得できる間を探しますので、ご安心ください。」
この流れを作ることで、
顧客の中には自然と、
- お金は一旦、置いていい
- 上がる可能性はある
- でも、放置はされない
という安心感が生まれます。
このステージに立って、
初めて本当の意味で
解決のフェーズに移行できると感じています。
5. 実践するうえでの注意点
ここはとても重要なので、
整理しておきます。
- 話は絶対に遮らない
- うなづく
- 使う言葉は
「はい」
「おっしゃる通りです」
の2つだけ
使い分けは、
「はい」を基本に、
5回に1回程度「おっしゃる通りです」。
- メモを取る
※ここでのメモは、内容を残すためだけではありません。
相手の話を「逃げずに受け止めている姿勢」を伝えるためのものです。
相手の 額を見る → メモを見る、を繰り返します。
※【額を見る】は目を見るのが苦手な方にも適します。また、この様な場合、威圧ととられる可能性もある為です💦 - 絶対に他所を見ない
携帯の着信は完全に無視 - 「灰汁」の最後は沈黙
目安は約30秒
30秒ほど沈黙が続いたら、
それが先ほどの
「ありがとうございます」のフェーズへ移るサインです。
6. まとめ|①と②を同時に行うということ
前回の①と、
今回の②。
この2つを同時に行うことで、
クレームやトラブルは
かなりの確率で沈下します。
ここで大事なのは、
一つも間違えないこと。
そして、
何度も何度も暗記して、
体に染み込ませて実践すること。
今回お伝えした内容そのものが、
私がいつも伝えている
「マニュアル」です。
感覚ではなく、
構造として使ってもらえたらと思います。
ここからは、少しだけ私の話をします。
私がこの内容を構築し、
実際に現場で使い始めたのは、
今から9年ほど前だったと思います。
その9年間の中で、
正直に言えば、
火の粉が一切なかったわけではありません。
むしろ、
振り返ると多くの火の粉がありました。
中には、
「これは大炎上だな…」
と感じる場面も、実際にありました。
ただ、その原因の大多数は、
現場で起きる次のようなものです。
- 職人さんのミス
- 手配業者の手違い
- 現場状況によるイレギュラー
もちろん、
私自身の見落としや判断ミスで
話が大きくなるケースもありました。
ただ、そのときの相手の反応は、
意外なほど穏やかなことが多かったです。
「人間だからミスするよ」
「あなたがミスするの、珍しいね」
そんな言葉をかけていただくことが
ほとんどでした。
この点は、
普段の向き合い方がそのまま返ってきた
と感じています。
話を戻します。
私の炎上現場には、
上司を同席させたケースは一度もありません。
すべて、
私一人で消化し、
相手に納得していただいたうえで
着地させています。
その後、必ず会社には
事後報告を入れていました。
- 事の経緯
- 現場での対応内容
- 承諾の書面
- 今回のケースのボトルネック
- そのボトルネックへのフィードバック
- 今後、注意すべき点の共有
この一連は、
どの会社にいても必ず行っていました。
すると、不思議と返ってくる言葉は
どこでも同じでした。
「君だから大丈夫でしょ?」
「いつものようによろしく」
「相談はいらないよ」
「君に任せるよ」
私は、
特別なことをしているつもりはありません。
誰でもできることを、
構造として、
手順として、
丁寧に積み上げているだけです。
そのために今回は、
- 具体的な手順
- 次のフェーズへ移行する明確な基準
ここまで書いたつもりです。
ぜひ、
知識として終わらせず、
一度でいいので、
実践してみてください。
感覚ではなく、
構造で対応する。
その積み重ねが、
結果として
「任せてもらえる人」
につながっていくのではないかと、
私は思っています。


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