【目次】
- 訪販会社に入社した日の“違和感”
1-1. 初日の衝撃は「出社時間」だった
1-2. 6人で1DKの事務所を掃除する朝 - 「ロープレ」と「スクリプト」という未知の世界
2-1. 毎朝20〜30分のロープレ
2-2. 正直に言うと、私はロープレが嫌いだった - 朝礼の「オス!」から始まる1日と、地獄の車移動
3-1. 朝礼は“気合い文化”そのもの
3-2. 5人でギュウギュウ詰めの車移動 - 現地で渡されるのは地図とチラシだけ
4-1. ここからが“本当の訪販” - 初アポイントは10日後。理由は勢いだけだった
5-1. 一生懸命さだけで取れた初アポ
5-2. だが三ヶ月で限界がやってきた - 半年後、工務へ異動。気持ちが救われた時間
- 訪販だけでなく「反響営業」も担当することに
7-1. 会社の戦略転換で、新部署へ
7-2. ここで衝撃の事実を知る - 多くの人は気づかないうちに「訪販の導線に乗っている」
8-1. “訪販=ピンポン”は誤解
8-2. 訪販とは“訪問前の導線をつくる仕組み” - クローザーの営業を見て「これ、自分もできる」と気づいた
- 大好きな会社。それでも私は転職を決めた
1. 訪販会社に入社した日の“違和感”
1-1. 初日の衝撃は「出社時間」だった
訪販会社に入社した日、最初に感じたのは 出社時間9時半 という異質さだった。
それまで7時や8時出社が当たり前だった私には、体内時計がまったく合わなかった。
1-2. 6人で1DKの事務所を掃除する朝
出社後は“軽い掃除”。
ただし掃除するのは 1DKの賃貸部屋に6人。
創業2年目の個人事業主スタートの会社で、立派な事務所など無い。
実際に、訪販系の会社では珍しいことではない。事務所にあまり経費をかけないそして、たたむときも楽であるからだ。
2. 「ロープレ」と「スクリプト」という未知の世界
2-1. 毎朝20〜30分のロープレ
掃除が終わるとロープレが始まる。
ロープレ(ロールプレイング)とは 営業の場面を想定し、対人で行う練習 のこと。
部長が作成したロープレシートは、
当時全国トップ売上の企業のスクリプト(台本) を基にしたものだった。
部長がその会社に勤めていて模倣したようだ。その会社は全国に名を連ねる会社であったが、今はもう無い
2-2. 正直に言うと、私はロープレが嫌いだった
理由は単純で、
同じことを工夫なく繰り返すのが退屈だった からだ。
社長は「口慣らしが大事」と言っていたが、当時の私はピンときていなかった。
相手役を論破して怒られる日も多かった(笑)
3. 朝礼の「オス!」から始まる1日と、地獄の車移動
3-1. 朝礼は“気合い文化”そのもの
ロープレ後は朝礼。
全員で、
「オス!本日私は○○します!」
と宣誓。
個人的には、宣誓で売上が上がるとは思っていない。気合も大事だがいかに効率よく獲得するという私の主観である。なので、気合が大事という方を否定しているという事ではございません。
3-2. 5人でギュウギュウ詰めの車移動
朝礼後は営業車に4〜5人で詰め込まれ、現場へ向かう。
片道1〜1.5時間。
- 狭い
- 暑い
- 加齢臭
- 密着
- ニオイ
“この世の不便を詰め込んだ箱” という表現がしっくりくる。
4. 現地で渡されるのは地図とチラシだけ
4-1. ここからが“本当の訪販”
現地につき現場で持っている物は以下のみ、
- 地図
- ボールペン
- チラシ
この3つ。
ここから夜8時頃まで、
ピンポン → 挨拶 → 断られる
をひたすら繰り返す。
なので、朝の9時半に出社しても会社に帰り着くのは夜の9時以降なので、朝は遅くとも帰宅するのは10時以降、遅い時間では明け方の3時等もざらにありました。
チラシとトークのみでアポイントを獲得これこそが、訪販が“最強営業”と言われる所以の一つだ。
5. 初アポイントは10日後。理由は勢いだけだった
5-1. 一生懸命さだけで取れた初アポ
最初のアポイントは入社10日後に取れた。
ただ、なぜ取れたかは当時全くわからなかった。
今思えば、
勢いと一生懸命さ
これだけだった。
5-2. だが三ヶ月で限界がやってきた
毎月10〜15件のアポを取れるようになったが、
三ヶ月を超えて急にアポが取れなくなった。
理由は明確。
勢い営業の賞味期限は三ヶ月。
部長に言われていた「三ヶ月以降の努力」という意味を、
ここで初めて理解した。
そこからは地獄だった。
- 断られるのが怖い
- 自分の仕事が“悪”に感じる
- 正解がわからない
- 公民館の裏で一人悩む日々
努力しても改善できず、半年が過ぎた。
6. 半年後、工務へ異動。気持ちが救われた時間
社長から“息抜きしてこい”と言われ工務へ異動。
実際は「現場で利益を取ってこい」が本音だったと思うが、
工務の半年は気持ちが軽くなる時間だった。
7. 訪販だけでなく「反響営業」も担当することに
7-1. 会社の戦略転換で、新部署へ
入社1年ほどで会社が新戦略を発表。
訪販 + 反響営業(チラシ・HP・テレビCM)
私は反響部署に配属された。
7-2. ここで衝撃の事実を知る
反響営業を経験して初めて気づいた。
8. 多くの人は気づかないうちに「訪販の導線に乗っている」
8-1. “訪販=ピンポン”は誤解
多くの人は、訪販=家に来る営業と思っている。
しかし実際には違う。
反響営業の入口は
- チラシ
- 市民講座
- 無料点検
- 無料セミナー
- モニター募集
- 節電診断
など、「キレイな入口」がほとんどだ。
8-2. 訪販とは“訪問前の導線をつくる仕組み”
そして、これらすべての裏に 営業導線がある。
つまり、
訪販とは“訪問してくる人”ではなく、
“訪問前の導線をつくる仕組み”そのもの。
人は気づかないうちに、
訪販の営業導線に乗っている。
この事実は、訪販と反響の両方をやった私だからこそ気づけたことだったのかもしれません。
9. クローザーの営業を見て「これ、自分もできる」と気づいた
反響部署の先輩は社長に可愛がられるクローザー。
その営業を見た瞬間、
「あ、これは自分にもできる。」
と直感した。
10. 大好きな会社。それでも私は転職を決めた
この会社は本当に家族のように居心地がよかった。
若い私は衝突もしたが、それでも“好き”だった。
ただ、
クローザーになるまで2〜3年かかるかな?…そんなに待てない
そう感じた私は転職を決断した。(転職だけが選択肢でないのですが)
次に選んだのは、
県内売上トップ3のリフォーム会社。
その話はまた次回。
この訪販会社で学んだことは
- 営業の練習はロープレ
- トークスクリプトなるものがある
- 勢いだけの営業は押売りになりがち
以上だろうか、営業も奥が深いですよね。
それではまた次回もよろしくお願いします!


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