営業トークをしてはいけない理由

マインド

目次

  1. 営業トークとは何か
  2. 人は一瞬で敵か味方かを判断している
  3. 「営業」という言葉が警戒を生む
  4. 不認知バイアスというフィルター
  5. なぜ営業トークは営業トークになるのか
  6. フィルターが外れたとき、提案になる
  7. 「営業スマイル」が営業スマイルになる理由
  8. これは営業だけの話ではない

1 営業トークとは何か

営業トークとは何か。

新人の方や、営業経験の浅い方からよく聞かれる質問です。

営業の本には様々な答えがあります。

トークスクリプト
ヒアリング
提案
クロージング

どれも間違いではありません。

ただ私は、少し違う視点で考えています。

営業トークとは
人間の心理状態の中で行われる会話だと思っています。


2 人は一瞬で敵か味方かを判断している

人は初対面の相手と会った瞬間、
無意識のうちに判断をしています。

この人は敵なのか。
味方なのか。

もっと言えば

「自分に害を与える人なのかどうか」

という判断です。

これは理屈ではなく、ほぼ反射です。

人間は昔から危険から身を守る必要がありました。
そのため、相手を瞬間的に判断する本能が備わっています。

この段階では、
まだ会話の内容すら関係ありません。


3 「営業」という言葉が警戒を生む

ここに「営業」という要素が入ると、
少し状況が変わります。

営業と聞いた瞬間、
人は警戒します。

売り込まれるかもしれない。
高いものを買わされるかもしれない。
損をするかもしれない。

こうした感覚が、
無意識に生まれます。

つまり営業という立場で相手と会う時点で、

すでに警戒された状態から会話が始まっている
ということです。


4 不認知バイアスというフィルター

ここで働いているのが
不認知のバイアスです。

難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、
簡単に言えば

「営業だから警戒する」

という無意識のフィルターです。

人は一度ラベルを貼ると、
そのラベルを基準に相手を見ます。

この人は営業だ。

そう認識した瞬間、
相手の言葉は

「売るために言っているのではないか」

という視点で聞かれるようになります。

つまり話の内容の前に
警戒のフィルターがかかります。


5 なぜ営業トークは営業トークになるのか

ここで考えたいのは、
営業トークをどう上手くするかではありません。

むしろ逆です。

営業トークのまま話さないことです。

相手にフィルターがかかったまま話せば、
どれだけ正しいことを言っても

どれだけ丁寧に説明しても

その言葉は
営業トークとして処理されます。

だから営業トークは、
営業トークのまま終わります。


6 フィルターが外れたとき、提案になる

では何が必要なのか。

先にバイアスを取り除くことです。

警戒をほどき
フィルターを薄くし

この人は
売りつける人ではなく

自分の話を聞き
生活を良くしようとしている人だと
認識してもらうことです。

そこまでいって初めて
会話の中身が変わります。

そのとき話していることは
もう営業トークではありません。

顧客の生活の質を変える提案です。

ここを理解しないまま営業をすると
どうなるのか。

言い回しばかり磨く。
切り返しばかり覚える。
クロージングばかり追いかける。

でも相手の中では
ずっと「営業」として処理され続けます。

結果として

伝えているつもりでも
伝わらない。

良い提案をしているつもりでも
届かない。

そのズレが生まれるのではないでしょうか。


7 「営業スマイル」が営業スマイルになる理由

これはよく言われる
「営業スマイル」という言葉にも
近いと思っています。

笑顔そのものが
悪いわけではありません。

ただ、相手にバイアスがかかったままだと

その笑顔はいつまでたっても
営業スマイルに見えてしまう。

どれだけ笑っても
どれだけ柔らかく接しても

相手のフィルターが外れていなければ

その表情すら
売るためのものとして
受け取られやすくなるのだと思います。


8 これは営業だけの話ではない

そしてこれは
営業だけの話ではないと思っています。

対人関係でも同じではないでしょうか。

相手に警戒されている状態での優しさは
本当の優しさとして受け取られにくい。

笑顔も
言葉も
気づかいも

フィルターの向こう側では
別の意味に変わってしまうことがあります。

そう考えると

営業トークを学ぶ前に必要なのは
話し方の技術よりも

相手のフィルターをどう外すかを理解すること
なのかもしれません。

その提案は、
本当に営業トークでしょうか。

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